何らかの理由で「お寺とお付き合いを辞める」となった際にトラブルが起こることがあります。
● 宗教的思想の食い違いからのトラブル
● 墓地の管理トラブル
● 御布施・法戒名料が高額
● 離壇料などのトラブル
など色々な事が考えられます。
なかには
● 寺院側から「心霊現象紛いの」脅し
● 相談者の理にかなっていない一方的な理由
などもありました。
今までに、ご相談があった内容と起こりうる問題を、ご説明させて頂きます。
世間一般的に、色々なお寺や神社にお参りに行く人たちは信心深いと言われます。
しかし、実際のところは少し違います。
キリスト教やイスラム教の信者で例に出すとわかりやすいかもしれません。
キリスト教徒はイスラム教寺院に見学に行くことはあっても参拝はしません。イスラム教徒も同じです。
この方たちが異教の寺院・協会に参拝しようものなら…
一族郎党は迫害にあい最悪は皆殺しになります。そうなる前に参拝した者を一族が殺しても、同じ宗教徒からは当然の事とみられ、“親殺し”“子殺し”と白い目で見られることはありません。
宗教的には邪教の邪心を崇拝したことになり「地獄へ堕ちる」事となります。
明治時代の廃仏毀釈などから、近年の日本人は宗教に対する価値観等が無くなり、すべが混ざってしまっています。
上記の事は仏教にも当然該当するものです。
寺院から、「うちの寺院には信仰心よりも、多宗教の寺院・神社に対する信仰心のほうが強い」と見られれば…
当然、「檀信徒・門信徒を辞めてもらないか?」となる可能性もあります。
日本は“お国柄”と言う言葉があるように地域地域によって文化が違います。
文化が違えば“死”を送り出す作法も違いがみられます。
例としては…
● 葬式(火葬前)の式中に煎餅をみんなで食べる(音を立てなければダメ)
● どんぶりに生きたドジョウ・金魚を泳がせ祭壇に置く
● 供花(スタンド生花)は使わず代わりに紙を出す
● 通夜葬式を自宅・集会場・寺院・墓地のすべてで行う
● 御遺体を別の建物で数日間安置し葬儀社以外は見に行かない(殯の名残)
● 葬儀に仏教の僧侶と神道の神官、両方が来る
● 出棺直前まで納棺しない(お通夜は布団で行う)
など多々あります。
私たちからしたら式中にバリバリと煎餅を食べるなんて…
と、思ってしまいますが、その地域では“しなければならない”事です。
逆に、千葉県独特の風習は他県では珍しいものです。
風習・俗習などは仏教の作法に地の宗教が混ざり出来た物で仏教の作法では必要のない作法です。物によってはその宗派の教えを否定している物もあります。
しっかりとした寺院ほど、そのような地域的な風習や俗習を嫌い行いません。
「○○(地元)ではこうする」というのは他には持ち込めないのです。
永代使用料とは「この墓地を○○家末代に渡るまで使わせて頂くため土地をお借りします」という費用で、賃貸物件の礼金のようなものです。永代使用料の中に更地にして返す分の費用が含まれている場合は敷金とお考えください。
※注意 俗に言う永代供養とは全くの別物になります。
管理費は墓地を清掃、維持等のための費用で家賃・共益費のようなものです。
これらは、墓地のサイズや管理戸数などによりその人その人でバラバラです。
家賃の支払いがない場合追い出されてしまうのと同じように、これらが未納だと追い出されてしまう事もあります。
これから先の時代、少子高齢化の影響から無縁になる墓地が多く、寺院側も当然警戒していますので、しっかりと支払わなければなりません。
寺院墓地、私営(寺院名義)霊園はトラブルが多々あります。
「墓地の管理費をしっかり支払っているから…」と
● お盆にお参りに来ていない
● 塔婆が出ていない(真宗を除く)
● 法事・法要を行わない、参加しない
など放置されていては、寺院側から見るとコインロッカーのように使われていると判断してしまいます。
この場合も「出ていってほしい」となる可能性があります。
「きちんと護寺会費と管理費を払ってお墓参りもしっかりしている」といっても…
「法要に出てこない」「法事をしない」となると、また話は違います。
宗派によって異なりますが、各宗派一番大きな(重要な)法要には参加するべきです。
出られないのならば、次に重要な法要に参加すれば良いのではないでしょうか?
法要や法事を行えないのならば「仕事や家庭の事情で…」と寺院に伝えればいいだけです。話をすれば理解していただけると思います。
これは個人個人の価値観ですので難しい問題です。
確かに御布施がかなり高額だと言われる寺院も多々あります。
そのような寺院に所属されている方は…寺院を変える以外解決方法はありません。
ですが、高額だと言う噂の無い寺院でそのような問題が起こった場合です。
● 常日頃から定例法座などに出席しているのか?
● 寺院での催し物に参加しているのか?
● 寺院への貢献度(役員になっているなど)
など、これらが関係していると思われます。
全く寺院に来ない人が「院号といい戒名を付けてくれ」と言われた時と、常日頃から寺院に来ている方が同じ事を言った場合…
どちらの方が寺院に取って「いい戒名を付けてあげたい」と思えるのか?という事になります。
また戒名は、その宗派に対する信仰心が強い人ほど位が上がるものです。
院号は、その寺院に対する貢献度、または寺院を建立した人などが頂くものです。社会的地位がいくら高くても、寺院に対する貢献度が無ければ頂けません。
寺院に対する貢献度が並、若しくは、無い人が、院号といい戒名を望む場合、「貢献度の高い人に失礼の無いように…」という事なのかもしれません。
一番確実で、一番いい方法は“自分の宗派と家系”を知る事です。
「宗派・寺院は関係しても、家系は関係ない」と思う方は多いと思います。
しかし、思っている以上に関係性があります。